こんにちは。プロダクト本部でエンジニアをしています daichi ( id:da1chi24 ) です。
先日、社内でGitLab本の輪読会を実施しました。
さらに今回はそれだけでなく、同時期に同じ本の輪読会をした他社の方と合同で振り返りを行うイベントに参加しました。
今回は輪読会や、他社と合同で行った輪読会の振り返りの内容、経緯や学び、参加した感想をシェアします。
GitLab本とは
「GitLabに学ぶ世界最先端のリモート組織のつくりかた」(以下 GitLab本)という本です。
この本はGitLab社が公開している「The GitLab Handbook」というドキュメントを参考に、著者が自社をリモートワーク化した実体験を通して得られたノウハウをまとめた内容が書かれています。
大まかな章立ては以下のようになっています。
- リモート組織のメリットを読み解く
- 世界最先端のリモート組織へ移行するためのプロセス
- GitLabが実践するリモート組織を活性化させるカルチャー醸成法
- GitLabが成果を出すために実践している人事制度や業務ルール
輪読会を開催しようと思ったきっかけ
Classiはリモートワークがメインなので、リモートワークを活用して生産性を高める実践例に興味がありました。
しかし、本の内容を把握するのは簡単ですが、その背景やコンテキストを理解するのは難しいです。
そこで他の人の意見を聞きながらディスカッションすることで、本の内容の理解がより深まるのではないかと思い、実施しました。
また、本で紹介されている事例は、個人やチームのみならず、文化や方針などの会社全体に関わるものも多いです。
そのため、普段一緒に仕事をすることのない他の部署や別のチームの方々と課題意識を共有することで、新しい気づきや発見があることも期待していました。
輪読会の進め方
輪読会はソフトウェアエンジニアだけでなく、データエンジニアや労務の方などさまざまな職種の方に参加していただき実施しました。
メンバーの層もジュニアから部長クラスの方まで幅広くいました。
1章ずつ担当を割り振り、担当者はその章を事前にまとめて発表、その後参加者同士で気になったことをディスカッションしました。
この本は全部で13章あり、単純計算で3ヶ月以上かかる長期戦です。
そのため途中で息切れしないよう、参加者の都合が合わない場合はスキップをするなど柔軟に開催しました。
輪読会を通して学んだこと・合同振り返り会に参加する動機
GitLab社が強く打ち出しているドキュメント文化や、リモート化におけるコミュニケーションの方法、新入社員のオンボーディングなど、明日からすぐ使える知識や基準が数多くあり満足度の高いものになりました。
以下は、参加者の感想です(一部抜粋)
- 中途入社の人から違う会社の話、他の部署の人から違う組織の話、若手メンバーから違う年次の話が広く聞けたのがめちゃくちゃ良かった。
- 具体例が多いので読み進めやすく、それでいてコミュニケーションといった普遍的な所作に通ずるところも多い。
- フィードバックの様式やコミュニケーションガイドラインが具体的ですぐに取り入れやすくて良い。
- 「前向きな意図を想定する」から始まるコミュニケーションガイドラインが、同意できるところが多くて個人的に最も気に入った部分。
- 読んで終わりと違って、感想を書き合う・話し合うことで内容がより自分の中に落とし込めた感じがします。他の本でもやってみたい。
また、この本で推奨されている方法の中で、Classiでも既にできていたり文化として根付いているものは改めて良いものだと認識することもできました。
例えば、この本では「リモートワークだとメンバーが何をしているかわからない、マネジメントやメンバーの成果に対する評価がしにくい」という課題が取り上げられています。
Classi ではたびたび引用されている Working Out Load (大声作業をしなさい)という行動を推奨しているという話がありました。
一方で、生産性を高め仕事を円滑に進める工夫を、他社ではどのようにやっているのかは、社内の輪読会だけではわかりませんでした。
また、これからリモートワーク化を進める組織やハイブリットな組織にとってどのような障壁があるのかは、既にリモート化された組織にいる身として実感が湧かない部分もありました。
そんな時ちょうどGitLab本の輪読会を同時期に行っている方々と合同で輪読会を行うイベント(後述)があることを知りました。
このイベントに参加することで、さまざま他社の悩みや事例を共有しさらに学びを深められるのではないかと思い、参加することにしました。
他社との合同振り返り
参加した合同振り返り会とは、KINTO テクノロジーズ株式会社様が主催されていたイベントです。
各社それぞれで行った輪読会について振り返りを行い、どのような気づきや学びがあったかを共有するものです。
私はワークやパネルディスカッションに参加し、自社ではどのように輪読会を行ったか、輪読会を通してどういう変化があったかなどを、お話しさせていただきました。
参加者の方々はさまざまな勤務形態で、フルリモートで遠方から参加していた方もいれば、出社がメインの企業の方もいらっしゃいました。
また、職種はマネージャーやITコンサルタント、SREなど幅広く、それぞれのコンテキストで議論が盛り上がりました。
振り返りでの話題
色々な話で盛り上がったのですが、輪読会の実施方法と本の内容から1つずつ共有します。
輪読会の方法はたくさんある
あらためて輪読会の実施方法はたくさんあることを再認識しました。
KINTOテクノロジーズさんの事例では、生成 AI を利用して要約する、欠席した方のために同じ内容を2回行うなど、いかに参加者に負荷なく参加してもらうかをかなり工夫されていて実施していました。
他にも本を読むタイミング(事前に読むか、当日読むか)、予定が合わない時のスケジュールの調整方法も会社ごとに違いがありました。
実施方法は本の内容や参加者の属性によっても異なるので、色々な選択肢を持ちつつも状況に合わせて良い方法を選んだり、途中で変えたりするのが良さそうだと思います。
リモート化でのインフォーマルなコミュニケーションの工夫
GitLab本ではインフォーマルコミュニケーション(いわゆる雑談)は生産性を高めるために大事だと書かれていますが、それぞれの企業で継続するのはなかなか難しいという話で盛り上がりました。
その中でも工夫している企業では、共通の話題を日報や週報から見つけ会話の接点を増やす、制度化せずに自然発生するコミュニケーションを大切にする、オンサイトで話すタイミングやきっかけを作る、などを実施していました。
後に気づいたことですが、輪読会自体が同じテーマで話しやすく親睦も深まるため、チームや部署を超えた関係の発展に寄与するものだと感じました。
全体の感想
今回は社内だけでなく、普段関わることがないような業種の方々と振り返りを行いました。
社内に留まらない一般的な共通の課題を再認識すると共に、Classiの良い文化や強みを改めて実感する良い機会となりました。
今後も社内だけに閉じず、社内外でディスカッションや知見共有をする活動は続けていきたいです。
輪読会に参加されたメンバー、合同振り返りを主催いただいたKINTOテクノロジーズ様、ご参加いただいた方々、ありがとうございました。