Classi開発者ブログ

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エラスティックリーダーシップ読書会 修了レポート

新卒入社三年目の小野です。校務チームで生徒を登録する機能の開発を行っています。 先日、弊社で新卒オンボーディングチームに所属されている @igaiga555 さんが主催するエラスティックリーダーシップ読書会を修了しました。会の概要や感想を書かせていただきます。

開催されるまでの流れ

新卒オンボーディングチームで、新卒メンバーにチーム開発時に知っておくべき知識を身につけて欲しい、という課題感があったようです。オンボーディングチームの方が、知識を身につけるには社内メンバーによく読まれている本を読むと良いのではと考えて、プロダクト開発部の雑談・相談チャンネルでマネジメントや組織についてのおすすめの本を募りました。結果、エラスティックリーダーシップ が最多得票しました。さらに、エラスティックリーダーシップについて、フロントエンドエキスパートチームの @lacolaco さんが「必読書で良いのでは」と強く勧めたことから、エラスティックリーダーシップ読書会をやろう、という動きが新卒オンボーディングチーム内で活性化したようです。その後、@igaiga555 さんが以下の呼びかけを行って、読書会が開催されることとなりました。

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私は新卒入社の1人として必須参加だったこともありますが、社内で複数人の方がこの本を勧められていたのを見ていたため、本の内容に興味を持って参加しました。

読書会でやったこと

読書会は月曜日の1時間を使って行われていました。会の流れは以下です。

  • 参加者が集まるまで雑談する。(2分程度)
  • あらかじめ指定されていた章を各自で読みながら、感想をJamboardに書く。(人数により変動。だいたい25分)
  • 残りの時間でJamboardを見ながら、参加者が1人ずつ感想を読み上げていき、他のメンバーはコメントしたり、質問などをして議論する。

感想は最初の1回目はJamboardではなくesaに各自で書く形式でしたが、@kiryuanzu さんの提案により2回目以降はJamboardを使うようになりました。各自違う色の付箋を使うことでコメントを書いたのが誰かすぐ分かるようになり、リアルタイムな議論がしやすくなりました。

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Jamboardを用いた議論の例

印象に残った章

私個人として一番印象に残ったのは、4.2.1節「必要なゆとり時間はどれくらいか」の一節である、「学習時間の生産性が通常の生産性よりも10倍も低い」です。目の前の仕事に追われるサバイバルモードから、スキルを伸ばせる学習モードにチームを導いていくべきであり、またモードを移行するにはゆとり時間が必要であるという説明の一部としてこの一節が書かれています。当時、私はフロントエンドにページビューを取るためのタグを埋め込むという全く経験のないタスクを任され、進捗が思うように上げられずにいました。この一節から、経験がないことを学習しながら進めることは、時間が10倍かかるのだから大変でも当然である、という気付きを得ました。もっとも、5章において学習のためには逆境に飛び込む必要があることが述べられており、学習が決して易しいことではないことも書かれています。

次に印象に残ったのは、6章の「コミットメント言語」です。コミットメント言語とは、相手に言質を与える言い方のことです(ex: 今週中までに終わらせます、毎日何時間ずつタスクに取り組みます、など)。逆にコミットメント言語でない言葉は、実現できない余地を残します(ex: ○○する必要がありますね、できるだけ早くやろうと思います、など)。コミットメント言語を使い個人のコミットメントが明確になることで、目標達成を阻害する要因を見つけることに役立ちます。 印象に残ったポイントとしては、私自身がコミットメント言語でない言い方を使いがちであったことや、コミットメント言語を習得すること自体が不快なものである、と感じたことです。話し相手が聞きたいことを言ってしまった結果、コミットメント言語ではない言い方を使ってしまう傾向があると気付いたので、今ではコミットメント言語を使うよう心がけています。コミットメント言語を習得することの不快さは、6.6節「どうやって取り組みに彼らを乗せるか」、8章「自己組織化を促進させるためにクリアリングミーティングを行う」を読んで感じました。チームでコミットメント言語を習得するためには、自分がお手本になってコミットメント言語を使うことや、相手がコミットメント言語でない言い方をした場合は言葉を直していくことが必要になると述べられています。これはやる側にとっても、やられる側にとっても不快な取り組みであると感じますが、新しいことを学び、安全地帯から出る時には不快になることは必要であると述べられています。何かを学ぶ際には不快になることを避けるべきではない、ということが、5章~8章での主要なメッセージであると読んでいて感じました。

感想

まず本の内容については、具体的な手法については応用できそうだと思えた一方で、この本ではリーダーに対して極めて高い技術力とコミュニケーション力、飽くなき向上心を求めていると感じたので、「こんなに凄いリーダーになるのは難しい」とも感じました。しかし、本の内容で同意できるところはいくつもありましたし、良いチームを作るためにリーダーがどう動くべきかを理解して、さらにリーダーを補佐できるチームメンバーになるためには、リーダーシップについての知識は必要だと感じました。実際に目の前の問題をどう解決するか?チームでどのように振る舞っていくか?については、読書会の他の参加者や先輩と議論しつつ、チームを良い方向に導いていけたらと思います。

読書会としては、新卒メンバーが書いた本の感想に対して @igaiga555 さんからさらに考えの深まるコメントを返していただくなど、和やかながら学びのある時間でした。議論が盛り上がる一幕もあり、特に評価制度について、「学習に時間を使えるようになるためには、評価制度に工夫が必要なのではないか」という観点で話が盛り上がりました。

読書会を通して学んだ、”コミットメント言語” を使うといった点を普段のチーム開発で心がけたところ、「できないことをできないとしっかり言ってくれるから仕事がしやすかった」とディレクターの方からフィードバック頂きました。今後も読書会への参加や、本を読むことは継続しつつ、得た知識を仕事で使っていくことも欠かさず取り組みます。

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