Classi開発者ブログ

教育プラットフォーム「Classi」を開発・運営するClassi株式会社の開発者ブログです。

RubyWorld Conference 2023 に参加しました

こんにちは!エンジニアの id:kiryuanzu です。最近はよく GitHub Actions のワークフローいじりをしています。

今回の記事は11/9(木)〜11/10(金)に筆者が参加した RubyWorld Conference 2023 の参加レポートです。

2023.rubyworld-conf.org

RubyWorld Conference とは?

RubyWorld Conference は島根県松江市で年1回開催される Ruby のビジネスカンファレンスです。通称 RWC と呼ばれています。
公式サイトでは以下のように開催概要について説明されています。

RubyWorld Conferenceは、プログラミング言語「Ruby」の国内最大のビジネスカンファレンスです。 Rubyが、多様な現実世界にどのように適合し浸透していくのか、そのような普及過程と成長を考える機会となることを期待すると共に、Rubyのさらなる普及・発展とビジネス利用の促進を目指します。先進的な利用事例や最新の技術動向、開発者教育の状況などの情報を発信することで、「Rubyのエコシステム(生態系)」を知っていただくことができる場として開催します。 開催概要 | RubyWorld Conference 2023

RWC は過去に Classiの新卒メンバーで参加した RubyKaigi とはまた別系統の Ruby のカンファレンスとなります。

Classi のエンジニア3名が RubyKaigi 2022 に参加しました - Classi開発者ブログ

しかし実は RWC にも 2019年に当時の新卒メンバーたちが中心となって参加しています。当時の記事も残っており、当時のメンバーたちが楽しくイベント参加された様子が伝わる内容でした。

「Ruby World Conference2019」にスポンサーとして参加しました!(そして島根を楽しみました!) | Classi株式会社's Blog

筆者はこの時期まだ入社しておらず、今回が初めての参加となりました。RubyKaigi には何度も参加していましたが、RWC に関しては未知のイベントでどんな雰囲気なのかよく知らないままでいました。
今回参加してみて、RubyKaigi とはまた違った魅力の詰まったイベントだと知ることができました。その感じた魅力の一部を記事の中で紹介していこうと思います。

イベントの雰囲気

まず、オープニングトークで司会の方から「スーツを着ている人が多いカンファレンス」と紹介される場面があり一笑いが起きていたのが印象的でした。企業以外にも自治体や学校が深く関わっているという説明もあり、仕事柄スーツで参加されている方の割合が他のイベントより多いようです。
実際スポンサーブースに寄ってみるとスーツ姿の方がいらっしゃって、たいへん親切に活動説明と名刺交換をしてもらいました。 筆者が今まで参加したカンファレンスだとあまりフォーマルなスタイルでの関わりが少なく、ちょっと新鮮な体験でした。

また、発表会場には松江高専の学生たちが数十人ほど固まって話を聞いている様子を見かけました。どうやら RWC への参加が授業の一環となっているみたいです。他のカンファレンスだと学生が集団で参加する場面を見たことがなく、これも新鮮な光景でした。それに加えてブースや発表でも松江高専の関係者を見かける機会が何度かあったのも記憶に残っています。

オープニングトークでは島根県知事と松江市長の挨拶のお話、レセプションには島根県観光キャラクターの「しまねっこ」が登場する場面も。

このようなイベントが続き、RWC は島根県と松江市、高専や地元の Ruby企業が一体となって作り上げている印象を受けました。
会場の外でも、タクシーの運転手やお店の方から「Rubyのイベント」で話が通じており、街全体にも Ruby への理解が溶け込んでいるようでした。プログラミング言語が町おこしの取り組みへと繋がっているのを肌で感じ取れました。

松江駅前のローソン2階にある Ruby Association の「松江オープンソースラボ」

印象に残った発表

両日共にさまざまな方面の方が発表をされていました。1日目は Ruby での現場の開発の話や RBS や ERB 、並列並列プログラミングの実装といった技術に特化した内容が多かったです。
RBS Tutorial
ERB Hacks - Speaker Deck

それに対し2日目フィヨルドブートキャンプさんによる OSS教育についてのお話や、Classi の新卒教育でたいへんお世話になった igaiga さんによる小学生支援を意識したリアルタイムアドバイスツール「RuboSensei」についての発表などがあり、プログラミング教育方面の発表が多くあった印象です。
プログラミングスクールでのOSS教育 - Speaker Deck
RuboSensei - Speaker Deck

特に印象に残ったのは2日目の松江高専の方達による「Matz葉がにロボコンで実践するSmalrubyとmruby/cを活用したプログラミング教育」でした。
小学生向けのプログラミング教育としてロボコン講習会を実施される活動を行っており、小学生の継続した学びの実現を強く意識されて取り組まれているとのこと。他の県でもロボコン講習会という取り組み自体は存在しているようで、それがご当地ロボコンと呼ばれる文化があることも初めて知りました。
参加者集めとして地域の野球チームの子供たちに声をかけたり、高専のほかにも地域コミュニティもイベント運営の手伝いをされていたりするなど、地域ぐるみでプログラミング教育に力を入れているエピソードがとても素晴らしいなと思いました。子供たちが大会で好成績を残した時は大人たちが一緒になって喜んだというほっこりする話もありました。

発表者の方が付けていた蟹の帽子も可愛らしかったです。

(発表資料は見つけられなかったのですが、例年だと12月末に全発表のアーカイブが公開されるようなので、そこで再び見ることができそうです。)

発表会場以外にも大展示場のブースでもランチセッションやスポンサーブースもゆっくり見て回りました。
ESMスーパーライトニングトーカーズ(株式会社永和システムマネジメント)さんたちによる「ESMスーパーライトニングトークス」が高速に情報密度の高いLT をバンバンやっていて迫力がありました。

ESMさんのブースにも立ち寄って Rubyメソッドアクリルキーホルダーガチャを引いてきました。String#encode 、個人的にencodeの文字の並びのバランスが好きなのでちょっと嬉しい。

まとめ

このような感じで、2日間目一杯楽しんできました。
イベント後も、懇親会で Matz氏と一緒に焼肉を食べてお話しを聞く機会があったり、ベテラン Rubyist の方からコードレビューについての考え方を熱弁していただいたりなど楽しい出来事がたくさんありました。
筆者は RubyKaigi を知って Rubyコミュニティの魅力を知りましたが、その切り口から新しいイベントに参加してみたくなった時の一つの選択肢としてぜひ RWC を考えてみてもらいたいです。

来年の5月には RubyKaigi 2024 があります。あわよくば同僚にも参加してもらって Rubyコミュニティの面白さを知ってもらいたいな……と野望を秘めつつ、この文を締めたいと思います。
読んでいただきありがとうございました!

© 2020 Classi Corp.