こんにちは、プロダクト本部プラットフォーム部SREチームの坪井(@boy2)です。当社の伊藤が2024年11月27日(水)にアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(以下、AWS)で開催された「【Edtech Meetup】急成長サービスの秘訣と実践戦略」のパネルディスカッションへ登壇しました。複数のEdtech企業のCxOと業界の特性や急成長の秘訣について語りました。今回はそのイベント模様の一部をご紹介します。
パネルディスカッション
オープニングの挨拶の後、3人のパネリストの自己紹介と会社紹介が行われました。テーマとしては、どのようにサービスを広めていったのかというテーマにてパネリストたちが回答してくれました。
Classiでは「tetoru」の成功事例を挙げています。
tetoruが急速に普及した要因
- コロナ禍の影響: 新型コロナウイルス感染症の拡大により、オンライン学習の需要が急増。tetoruのようなクラウド型プラットフォームが注目されるきっかけとなりました。
- 高いユーザー満足度: NPS(Net Promoter Score)*1が高いことからも分かるように、tetoruはユーザーから高い評価を得ています。(参考資料)
- 口コミによる拡散: ユーザー満足度の高さから、口コミで広がり、多くの学校に導入される結果となりました。
Classiのサービスで経験したシステム障害の教訓を踏まえ、tetoruの開発を進めたと述べています。特に、スケーラビリティの確保や、突発的なアクセス増加への対応などを重視し、AWSサービスを活用することで、安定したサービス提供を実現しています。
続いて会場に来ている参加者からの質問にパネラーたちが回答しました。
Classiへの質問に対して、伊藤が回答しました
- 質問:離脱校対策について
- 伊藤の回答:具体的な数値は公表できませんが、生徒一人ひとりの状況を深く理解し、適切な支援を行うことが重要です。生徒への理解を深めるために、Classiではプロダクトの改善を日々行っています。生徒一人ひとりのニーズに合ったサービスを提供することで、離脱校を減らすことを目指しています。
- 質問:Classiとtetoruの導入における課題
- 伊藤の回答:Classiでは、生徒や先生のアカウント発行など、初期設定がやや複雑です。このため、導入サポートを強化しています。tetoruでは、シンプルに設定できるように設計されていますが、教育現場ではデジタルに慣れていない人が多いため、手厚いサポートを行っています。
会場では語られなかった具体的なエピソードを伊藤にヒアリングしました
「Classiでは、多層化する学力の生徒向けに個別最適な学習体験を提供する学習トレーニングの機能を開発・運用しています。学校の授業における理解度もばらついており、先生方が一人一人に細やかに対応することも限界があるため、Classiでは生徒一人一人の解答状況に応じて個別の問題を推薦する機能などを提供してきました。最近では、問題が解けた=できたという体験だけではなく、その学習単元が理解できる=わかった体験を提供するために動画サービスを連動させ、一人一人の学習を支援しています。」
詳細はプレスリリースにも掲載していますのでぜひご覧ください。 他のパネリストのお話も大変興味深いものでした。パネルディスカッション後は、EdTech企業の皆様によるLTも開催され、AIによる学習サポートやプログラミング学習での課題など、興味深い話題が盛りだくさんでした。AWSによる開催レポートが公開されていますので、詳細についてはそちらをご覧ください。
成長を支えるAWSサービスのご紹介
イベントの最後には、3人のAWS Solutions ArchitectによるAWSサービス紹介がLT形式で実施されました。一挙にまとめて紹介したいと思います。
Amazon Bedrock*2: モデルのアップデート(Claude Updates: Sonnet 3.5 v2, Haiku 3.5)、生成AI処理フローのオーケストレーション(Amazon Bedrock Prompt Flows)、責任あるAIのさらなる一歩(Guardrails for Amazon Bedrock)など、最新情報が紹介されました。
Redshift ML*3: 自身のデータで生成AIアプリケーションを作成したいというニーズに応え、Redshift MLとAmazon Bedrockの統合について紹介されました。zero-ETLとRedshift MLを組み合わせることで簡単に自身のデータを使った生成AIアプリケーションを構築できるようになります。
ガバナンス&セキュリティ: AWS Trusted Advisor*4の再点検など、すぐに実行できるセキュリティ対策の事例が紹介されました。ガバナンスとセキュリティのベストプラクティスを活用し、AWS環境をより安全に利用する方法が提案されました
特に、Redshift MLとAmazon Bedrockの統合は、生成AIの活用を加速させる画期的な取り組みと言えるでしょう。また、AWS Trusted Advisorを活用したセキュリティ対策は、全てのAWSユーザーにとって重要なことです。さっと確認することができますので、年末までに一度、ご自身の環境を見直してみてはいかがでしょうか。
最後に
今回のEdTechイベントは、改めて自社のサービスへの注目度の高さを感じました。AIによるパーソナライズドラーニングやオンライン教育の普及など、教育業界の最前線を垣間見ることができ、大変刺激的でした。参加者の熱量も高く、EdTechに対する注目度の高さが伺えました。
EdTech MeetUpは、業界を牽引するイベントとして、ますます盛り上がっていくことでしょう。次回の開催も楽しみにしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
*1:ネットプロモータースコア(NPS)とは、顧客が自社の商品やサービスを友人や同僚にどれくらい薦めるかを数値化した指標です。例えば、あるECサイトのNPSが80%の場合、顧客の80%がそのサイトを積極的に人に薦めていることを示し、顧客ロイヤルティが高い状態であると評価できます。NPSは、顧客満足度を測り、自社の改善点を見つけるために活用されます。
*2:Amazon Bedrockは、様々な生成AIモデルを簡単に利用できるAWSのサービスです。テキスト生成や画像生成など、多様なタスクに対応でき、自社のデータでモデルをカスタマイズすることも可能です。
*3:Amazon Redshift MLは、Amazon Redshift データウェアハウス上で、SQLクエリを使って機械学習モデルを構築・トレーニングし、予測を行うことができるサービスです。
*4:Trusted AdvisorはAWSの無料サービスで、AWS環境を継続的に監視し、コスト削減、パフォーマンス向上、セキュリティ強化などのための推奨事項を提供します。