Classi開発者ブログ

教育プラットフォーム「Classi」を開発・運営するClassi株式会社の開発者ブログです。

リモートでPeople+AI Guidebookの輪読会をやった話

こんにちは。データAI部部長の伊藤(@tetsuroito)です。

Classiの組織はマトリクス型の組織を採用しており、縦では職能別の部門、横では機能チームごとに分けて、日々の業務にあたっています。

今回の記事では、データAI部とUXデザイン部が共同で取り組んだ輪読会の内容をお伝えします。輪読したものはGoogleが2019年に公開したPeople+AI Guidebookの日本語版です。

輪読会開催のきっかけ

日々の業務では横軸のチームで動くことが多く、部門間のやり取りもチーム内でやりとりすることが多くありました。しかし、縦の部門でそれぞれの職務における能力開発が担われており、UXデザイン部ではUIやUXデザインに関する専門的な能力開発が、データAI部ではデータサイエンスや機械学習などの専門的な能力開発がそれぞれ行われていました。

しかし、データサイエンスや機械学習などは取得されたデータから新たな価値を創出していく活動のため、システムやプロダクトにおけるユーザー体験がデータを生み出すメカニズムそのものに強く影響を与えます。

そのため、2つの部門で同じような課題意識を共有できる取り組みができないかと思っていました。そんな課題意識をUXデザイン部の副部長の松本さんに相談したところ、まずは輪読会をやってみようということになりました。

輪読会の開催概要

リモート環境下における輪読会なので、どのような体裁で開催するかは少し工夫をしました。

項目 方法
開催頻度 毎週金曜日11:00-12:00
読む物 People+AI Guidebook(翻訳版)
各回の概要 1回目:はじめに
2回目:ユーザーニーズ+成功の定義
3回目:データ収集+評価
4回目:メンタルモデル
5回目:説明+信頼感
6回目:フィードバック+コントロール
7回目:エラー +上手な失敗
8回目:ふりかえり
輪読会構成 前半30分 担当箇所を読みながら付箋に書き出す
後半30分 付箋を眺めながら気になった観点を議論する
締めにグラフィックレコーディングを確認する
使うツール Miro

輪読会の開催方式は色々とありますが、今回は専門領域の異なるメンバーが参加しているため、同じ認識を持ちながらそれぞれの立場での読み解きの視点や感想などをシェアすることを重視しました。

そこで、特に担当箇所などは割り振らず、毎週決まった章をみんなで読んで、感想を出し合う形式にしました。各回の分量も適切なサイズに切り分け、事前に予習してこなくても大丈夫なように、前半30分を読む時間にあて、その中で気になる観点を書き出し、後半にそれを話し合うことで気づきを得られるようにしました。

今回、UXデザイン部のメンバーが参加してくれたことで、輪読会での議論の様子をグラフィックレコーディングにしてもらいました。最後にそれを眺めて振り返ることで、理解を促進するような構成にしました。

輪読会の様子

はじめにを読んで、輪読会に期待することを書いた初回 f:id:tetsuro-ito:20210311124619j:plain

データ収集+評価の回 f:id:tetsuro-ito:20210311124706p:plain

エラー+上手な失敗の回 f:id:tetsuro-ito:20210311124637j:plain

このようにはじめの30分で章を読みながら気になった箇所を個々で付箋に書き出し、他の人がどのような観点が気になっているのかをみることで、また新たな発見や視点を得ることができました。その様子をグラフィックレコーディングで描いたのが右手に描かれている内容です。

ふりかえり

すべての章を読み終えた後に、輪読会自体のふりかえりも行いました。

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People+AI Guidebookには章によってデータ系に近い章とUXに近い章がそれぞれありましたが、みんなが共通して印象だった箇所として、「メンタルモデル」や「期待値調整」、「AIの目的は自動化か拡張」などの観点があげられました。

また、最終的にAIシステムのためのUXデザインについて学んでいたはずが、一般的なシステム開発にも活かせる内容も多く、そうした気づきを得られてよかったことや、自身の関わっているプロジェクトにも活かせそうだという意見も多く書かれていました。

今回、職能を超えた活動をする上で、People+AI Guidebookが非常に取り組みやすいコンテンツだったと思います。こうした活動の媒介となるコンテンツがあるということは非常にありがたいなと感じました。

まだまだ質的な部分と量的な部分のコラボレーション事例はそれほど多くはありませんが、こうした活動をきっかけに良い取り組みができるように頑張っていきます。

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